ふりがな
ハリセンボン科の魚は全世界の熱帯から温帯に広く分布し、6属20種類ほどが知られている。
全長は15cmほどのものから70cmを超えるものまで種類によって異なる。
腹びれがないこと、顎の歯が癒合していること、皮膚が厚いこと、敵に襲われると水や空気を吸い込んで体を大きく膨らませること、肉食性であることなど、フグ科と共通した特徴を多く持っている。
ただし、フグ科の歯は上下2つずつ、合計4つになっているのに対し、ハリセンボン科の歯は上下1つずつ、合計2つである。
最もわかりやすい特徴は体表に鱗が変化したたくさんの鋭い棘があること。
「針千本」という和名も”Porcupinefish”(ヤマアラシ)という英名もここに由来する。なお、実際の棘の数が千本あるわけではない。
過去の調査例によると約千尾のハリセンボンの針の数の平均は369本であった。
この棘は普段は寝ているが、体を膨らませた際には直立し、敵から身を守ると同時に自分の体を大きく見せるのに役立つ。
浅い海の岩礁、サンゴ礁、砂底に生息する。他のフグ目の魚と同様に胸びれ、尻びれ、背びれをパタパタと羽ばたかせながらゆっくりと泳ぐ。
食性は肉食性で、貝類、甲殻類、ウニなど様々な底生生物(ベントス)を捕食する。丈夫な歯で貝殻や甲羅、ウニの殻なども噛み砕いて食べてしまう。
本来は熱帯性の魚だが暖流に乗って北上し、水温が低下する冬季に海岸部に大量に漂着することがある。これらの漂着個体は水温が低すぎるため繁殖できずに死んでしまう。
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