ボラ

ふりがな

鼻先はなさきは平ひらたく、口くちはそれほど大おおきくない。
唇くちびるは細ほそくて柔やわらかく歯はも小ちいさいが、上顎うわあごがバクの鼻はなのように伸縮しんしゅくする。目めとその周辺しゅうへんは脂瞼しけんと呼よばれるコンタクトレンズ状じょうの器官きかんで覆おおわれる。

全長ぜんちょう80cm以上いじょうに達たっするが、沿岸えんがんでよく見みられるのは数すうcmから50cmくらいまでである。体からだは前後ぜんごに細長ほそながく、断面だんめんは前半ぜんはん部ぶで背中せなか側がわが平ひらたい逆ぎゃく三角形さんかっけい、後半こうはん部ぶは、両端りょうたんが細ほそくなっている紡錘形ぼうすいけいである。背せビレは2基きで、前まえの第だい一いち背せビレには、とがっている棘条きょくじょうが発達はったつする。尾おビレは中央ちゅうおうが湾入わんにゅうする。上下じょうげ各かくヒレは体からだに対して小ちいさく、遊泳力ゆうえいりょくが高たかい。体色たいしょくは背中せなか側がわが青灰色せいかいしょく–緑褐色りょくかっしょく、体からだの側面そくめんから腹はら側がわは銀ぎん白色はくしょくで、側面そくめんには不明瞭ふめいりょうな細ほそい縦たてしまが数すう本ほん入はいる。

基本きほん的てきには海水かいすい魚ぎょであるが、幼魚ようぎょのうちはしばしば大群たいぐんを成なして淡水たんすい域いきに遡上そじょうする。この群むれは時ときに川かわを埋うめ尽つくすほどになり、水中すいちゅうの酸さん欠けつをもたらす場合ばあいもある。水みずの汚染おせんにも強つよく、都市とし部ぶの港湾こうわんや川かわにも多おおく生息せいそくする。体長たいちょうが同おなじくらいの個体こたい同士どうしで大小だいしょうの群むれを作つくり、水面すいめん近ちかくを泳およぎ回まわる。

食性しょくせいは雑食性ざっしょくせいで、水底みずぞこに積つもったデトリタスや付着ふちゃく藻類そうるいを主おもな餌えさとする。水底みずぞこで摂食せっしょくする際さいは細こまかい歯はの生はえた上顎うわあごをホウキのように、平たいらな下顎したあごをチリトリのように使つかい、餌えさを砂すなや泥どろごと口くちの中なかにかき集あつめる。石いしや岩いわの表面ひょうめんで藻類そうるいなどを削り取けずりとって摂食せっしょくする。