ふりがな
岸辺や近海に生息するフグが外洋に進出して適応進化したものであり、全世界の熱帯・温帯の海に広く分布する。
外洋の表層で浮遊生活をしていると考えられてきたが、研究により生息の場は深海にまで及んでおり、海上で見せる姿は生態の一部にすぎないことがわかってきた。
特徴的な丸い目、小さな口、鳥の嘴のような板状の歯、小さな穴状のエラ穴を持つ。
腹びれと肋骨を持たないのも同目の特徴である。目には寄生虫が付いていて、ほとんど見えていないため、よく水族館等のガラスにぶつかる。皮膚は厚く粘液で覆われる。
クラゲや動物プランクトンを食べるということは知られているが、胃内容物からは深海性のイカやエビ、イワシ、カニ、ホタテなどの残骸も発見されている。これまで海中を受動的に漂っているだけと考えられることが多かったが、これらの餌を捕食するにはある程度の遊泳力が必要となる。海流に逆らって移動し得るだけの遊泳力を持つ。
泳ぐときは背びれと尻びれの動きを同調させて羽ばたくように対称に動かすことで推進力を生み、背びれと尻びれの一部が変形した舵びれで舵をとる。
時折海面にからだを横たえた姿が観察されることがあり、丸い体が浮かんでいる様が太陽のようであることから sunfish という英名がついた。この行動は、小型の魚やカモメなどの海鳥に寄生虫を取ってもらうため、深海に潜ることによって冷えた体を暖めるため、あるいは日光浴による殺菌が目的ではないかと考えられている。
マンボウは勢いをつけて海面からジャンプすることもあり、これも寄生虫を振り落とすためである可能性がある。
マンボウ
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