イソギンチャク

ふりがな

岩いわの上うえなどに定着ていちゃくして生活せいかつする生いきもので、体からだは基本きほん的てきには円筒えんとう形がたである。上うえの面めんを口盤こうばんとよび、その中央ちゅうおうには口くちがある。
口盤こうばんの周辺しゅうへんには多数たすうの触手しょくしゅが並ならぶ。触手しょくしゅは普通ふつう、円錐えんすい形がただが、先端せんたん部ぶが膨ふくらんだものや、多数たすうの枝えだをもつ場合ばあいもある。
下面かめんは足盤そくばんとよばれ、ここで岩いわなどに吸着きゅうちゃくする。

あまり動うごくことはないように思おもわれるが、イソギンチャクはこの足盤そくばんを使つかって、普通ふつうは時速じそく数すうcm程度ていどの速度そくどで移動いどうすることができる。
イソギンチャク類るいは、すべてが単独たんどく生活せいかつであり、群ぐん体たいを作つくらない。筋肉質きんにくしつの足盤そくばんによる移動いどう能力のうりょくによって新生しんせい個体こたいが互たがいに密着みっちゃくして群ぐん体たいを作つくるのではなく、移動いどうして互たがいに距離きょりをとるようになることが多おおい。個々ここの動物どうぶつ体たいは、したがって群ぐん体たいを作つくるものよりは大おおきなものが多おおい。大おおきいものでは、口盤こうばんの径が60cmにもなる。

普通ふつうはオスとメスそれぞれが存在そんざいしており、体外たいがい受精じゅせいする。受精卵じゅせいらんは孵化ふかすると楕円だえん形がたで繊毛せんもうを持もったプラヌラ幼生ようせいとなり、これが定着ていちゃくして成長せいちょうし、成体せいたいとなる。

敵てきなどに触ふれると触手しょくしゅを縮ちぢめ、強つよく刺激しげきすれば口盤こうばんをも縮ちぢめ、てっぺんがすぼまった形かたちになる。そっとしておけば、また触手しょくしゅを伸のばし始はじめる。

餌えさになる小しょう動物どうぶつが触ふれた場合ばあいには、触手しょくしゅがそれに触ふれて餌えさが毒どくで麻痺まひしてから、口くちに運はこんで丸まるのみにする。微小びしょうな餌えさを捕とらえるものは、口盤こうばんの表面ひょうめんの繊毛せんもうによって餌えさが口くちに運はこばれる。餌えさは胃いの内部ないぶに取り込とりこまれ、消化しょうか液えきで分解ぶんかいされ、吸収きゅうしゅうされる。未み消化しょうか物ぶつ（糞くそなど）は再ふたたび口くちから吐き出はきだされる。